事故物件を相続するデメリットとは?税負担や相続の判断基準も解説

不動産売却

事故物件を相続するデメリットとは?税負担や相続の判断基準も解説

事故物件の相続では、通常の不動産とは異なる複雑な問題を伴います。
相続税の扱いや売却・管理の判断はもちろん、将来的な資産価値の低下や心理的な負担も無視できません。
今回は、事故物件を相続する際に知っておきたい相続税のポイントや判断基準、長期的に考慮すべきデメリットについて解説します。

事故物件と相続税の関係性

事故物件と相続税の関係性

核家族化が進み、「連絡がとれずに見に行くと親が自宅で亡くなっていた」というケースが増えています。
寿命や病気によって人が亡くなった場合、その物件は基本的に事故物件としては扱われません。
しかし状況によっては事故物件とみなされ、相続人が扱いに困るケースもあります。
まずは事故物件とは具体的にどのような物件を指すのか、相続したら場合の税金についても解説します。

事故物件とは?

事故物件とは、過去に自殺や殺人、孤独死などが起きた不動産のことです。
これらの出来事は法律上「心理的瑕疵(かし)」と呼ばれ、不動産としての価値に影響を及ぼすことがあります。
事故物件は買主が精神的な抵抗を感じやすく、通常の物件に比べて売却価格が下がるケースも少なくありません。
とはいえ、明確な法律上の定義があるわけではなく、どこまでを「事故」とするかは取引の状況や説明義務の有無によって異なります。
たとえば孤独死の場合、本来であれば心理的瑕疵には該当しません。
しかし発見までに時間がかかり、遺体の腐敗が進んで特殊清掃が必要になるケースでは、事故物件とみなされる可能性が高いです。

事故物件を相続しても相続税は原則かかる

事故物件を相続した場合でも、原則として相続税の対象になります。
相続税とは、被相続人から財産を引き継いだ際に、その価値に応じて課される税金です。
不動産、預貯金、有価証券、自動車など、さまざまな財産が対象になります。
不動産の場合、課税対象額は「路線価」や「固定資産税評価額」などをもとに算定されます。
事故物件であるからといって、相続税評価額が自動的に下がるわけではありません。
市場では買い手がつきにくくなっていても、評価上は通常物件と同様の価値が認められることが多いため注意が必要です。

評価額の減額は可能?専門家への相談がカギ

前述のとおり、事故物件であっても一般的な不動産と同様に相続税が課されます。
ただし、事故物件としての事情が明確であれば、不動産鑑定士による評価や、相続税申告書に添える意見書などを活用して、評価額の減額を主張することは可能です。
たとえば、過去に同様の事情で売却価格が大きく下がった実績がある場合、それを根拠に「実勢価格との差が大きすぎる」として評価を下げられる余地があります。
とはいえ、これは税務署に認められるかどうか次第であり、個人での対応は難しいのが実情です。
事故物件を相続した際には、不動産や税務の専門家に早めに相談することをおすすめします。

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事故物件を相続するかどうかの判断基準

事故物件を相続するかどうかの判断基準

遺産の中に事故物件が含まれている場合、必ずしも無理に相続する必要はありません。
物件の状況や遺産の内容によっては、相続放棄をするという選択肢もあります。
判断の基準となるのは、その物件が自分にとって「資産」としての価値を持つかどうかです。
以下のポイントを参考に、相続するか処分するか、または相続放棄の手続きをするか検討しましょう。

収益化や売却益を見込める場合は相続するのがおすすめ

事故物件といえども、立地や条件によっては賃貸や売却による収益が見込めるケースがあります。
たとえば、駅近や都心部など需要の高いエリアでは、事故物件であっても入居希望者が一定数存在します。
なかには「孤独死なら気にならない」という方もおり、少し家賃を下げるだけで入居が決まることもあるでしょう。
収益化の見通しが立ち、管理や維持のコストを上回る利益が期待できる場合は、相続によって資産として保持する判断も合理的です。
また、事故物件以外に遺産がある場合も、相続することをおすすめします。
相続放棄をすると、遺産をすべて放棄する必要があり、特定の財産だけ相続するということはできません。
取得したい財産がある場合は、事故物件も含めていったん相続し、その後売却や活用を検討するのが賢明です。

利用や活用ができない場合は処分を検討する

事故物件を自ら利用する予定がなく、賃貸や売却の見通しも立たない場合は、相続によって不必要な負担を背負うリスクがあります。
管理や清掃の手間、固定資産税などのランニングコストだけが発生し、活用の予定が立たない状態では、むしろ資産というより「負債」となってしまうでしょう。
こうした場合には、相続を受けたうえで早期に売却するか、他の相続人との調整を経て放棄を選択するのが現実的です。
すぐに現金化できなくとも、処分を前提とした戦略をとることで無駄な負担を回避できます。

相続によるマイナス面が大きい場合は相続放棄も視野に入れる

事故物件に多額の修繕費用がかかる場合や、近隣トラブルが懸念される場合は、相続放棄を検討しましょう。
相続放棄は家庭裁判所に申述する必要があり、原則として相続開始を知ってから3か月以内に手続きを行う必要があります。
この期限を過ぎると自動的に相続を承認したとみなされるため、早めに判断・行動することが大切です。
ただし相続放棄をすると、現金や自動車、株式など、ほかの遺産もすべて取得できなくなります。
事故物件単体の問題ではなく、全体の遺産構成を踏まえて検討するようにしましょう。

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事故物件を相続することによる将来的なデメリットはある?

事故物件を相続することによる将来的なデメリットはある?

最後に、事故物件の相続により生じるデメリットについて解説します。

賃貸物件の場合

相続した事故物件がアパートなどの賃貸用不動産である場合、以下のようなデメリットが想定されます。

●空室リスク
●家賃下落リスク


事故物件は、過去の事件や事故により、入居者に対して心理的な抵抗感を与える傾向があります。
とくに、自殺や殺人といった事案が発生した物件は、告知後に入居を見送られるケースも珍しくありません。
このような背景から空室期間が長引くリスクがあり、入居率の維持に課題が生じます。
また、周辺地域に事故物件であることが知られると、物件全体のイメージが悪化し、需要の低下につながるおそれもあります。
その結果、賃貸条件を下げざるを得なくなり、家賃収入の減少を招くリスクがある点に注意が必要です。

空き家の場合

相続した事故物件が空き家の場合は、以下のようなデメリットが考えられます。

●近隣住民に偏見の目で見られる
●防犯上の問題
●建物や設備の老朽化
●維持管理費用の負担


事故や事件が発生した空き家は、地域にマイナスの印象を与えやすく、放置すると近隣住民との関係悪化や防犯上のリスクが高まります。
また不法侵入や犯罪の温床になる可能性もあり、建物の老朽化が進めば「特定空家」に指定され、固定資産税の優遇措置も受けられなくなります。
こうしたリスクを避けるには、定期的な掃除や換気、防犯対策・草木の手入れ、修繕といった「管理」を行わなければなりません。
とくに事故物件は入居者が見つかりにくく、空き家状態が長期化しやすいため、管理コストが負担となる点に注意が必要です。
所有し続けるデメリットが大きいと感じる場合は、早めに売却を検討しましょう。

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まとめ

事故物件であっても、通常の不動産と同様に相続税の課税対象となります。
相続するかどうかで迷ったら、需要が見込めるか、ほかに相続したい遺産がないかを基準に判断しましょう。
収益化や売却の見込みがあれば相続がおすすめですが、管理や修繕の負担が大きい場合は早期の処分や相続放棄もご検討ください。

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