空き家の相続放棄とは?管理責任や手放す他の方法について解説

不動産売却

空き家の相続放棄とは?管理責任や手放す他の方法について解説

突然の相続で、自分では不要な不動産を所有することになるケースがあります。
空き家を所有し続けることは、金銭的な負担や管理責任のリスクをもたらすため、早めに対応策を考えることは大切です。
そこで今回は、空き家の相続放棄や相続放棄後の管理責任、空き家を手放す他の方法について解説します。

空き家の相続放棄とは?

空き家の相続放棄とは?

不動産を相続して始めて「相続放棄」の制度を知る方もいるかもしれません。
ここでは、相続放棄とはなにかと相続放棄の注意点4つについて解説します。

相続放棄とはなにか

相続放棄とは、遺産を受け継ぐ権利をすべて放棄することを指します。
一般的には、総資産に比べて借金などのマイナスの資産が多い場合などに相続放棄が選択されることが多いです。
不動産の場合、相続放棄をすれば相続税や毎年の固定資産税の支払いの必要もなくなります。

注意点①空き家のみの放棄はできない

相続放棄は、プラス・マイナスすべての財産を放棄することを指します。
そのため、空き家のみ手放して預貯金は受け継ぐなどの選択的な放棄はできません。
空き家が不要であっても、他の遺産を受け継ぎたい場合は、相続放棄をしないほうが良いでしょう。

注意点②3か月以内に申立てをする

相続放棄が認められるためには、相続開始を知ってから3か月以内に家庭裁判所へ申立てをおこなう必要があります。
なお、相続放棄の申立ては、他の相続人の同意を必要とせず、単独でおこなうことができます。
相続放棄を希望する場合は、申立ての期限を過ぎないよう早めに動くことがおすすめです。

注意点③変更・処分をすると相続放棄できなくなる

申立て可能な期間内であっても、相続財産に対して変更・処分をすると、自動的に相続したとみなされ、相続放棄ができなくなるルールがあります。
たとえば、空き家の場合、リフォームや解体工事などをして手をくわえると、相続放棄はできなくなります。
相続放棄を選択する可能性があるうちは、空き家に手をくわえないように注意しましょう。

注意点④親族に相続放棄を伝える

遺産を相続する順番は、法定相続人の順位によって定められています。
1人が相続放棄すると、その方より下の順位の方に相続が引き継がれます。
相続予定のなかった方に突然空き家の相続が生じることとなるため、前もって知らせておくと親切です。
知らせないでいると、親族の方が突然多額の税金を支払うことになったり、管理責任の面でトラブルになったりする可能性があるため注意が必要です。

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相続放棄後の空き家の管理責任について

相続放棄後の空き家の管理責任について

2023年4月1日より、相続放棄後の空き家の管理責任に関する法改正がおこなわれました。
法改正の主な目的は、相続によって生じる所有者不明土地問題の解決です。
ここでは、改正の3つのポイントについて解説します。

財産を現に占有している場合

改正法では、相続放棄後も管理責任が生じるケースについて、「その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているとき」との文言がくわわりました。
旧法では、自分が住んでいない・管理していない不動産についても、次の相続人が決まるまで管理義務を課せられていました。
改正法では、相続放棄の時点で占有していない不動産については、管理義務を負わなくなった点が変更点です。
一方で、親が亡くなるまで同居していたなどのケースでは、占有状態が認められるため、相続放棄後も管理責任が生じます。

財産の引き渡しまでの間管理すること

相続人全員が放棄した場合には、相続財産管理人の申立てをする必要があります。
相続財産管理人とは、相続財産の管理や生産をおこない、最終的に国庫に帰属させる職務です。
自分より下位の法定相続人がいなくなった場合、家庭裁判所に申立てをおこない、相続財産管理人を選出してもらいます。
改正法では、相続財産管理人の名称が相続財産清算人に変更され、手続きが合理化・短縮化されました。
「相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間」と相続放棄後の管理義務の期間が明文化されており、最後の相続人の負担が軽減されています。

財産の保存について

旧法では「その財産の管理を継続しなければならない」との文言であったのが、改正法では「保存しなければならない」に変更されています。
法制審議会民法・不動産登記法部会の資料によると、保存とは必要最小限の保存行為を指すとされています。
つまり、空き家の補強工事などのような、金銭的な負担を要する積極的な保存行為は必要ありません。
また、同資料では「保存義務の相手方は他の相続人と相続財産管理人」とも明記されています。
つまり、行政指導や近隣住民のクレームによって、空き家の状態を改善する義務は負わないとの意味です。
ただし、法律の実際の適用については見解が分かれている部分もあり、今後詳細なルールが定まっていくとされています。

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相続放棄以外で空き家を手放す方法

相続放棄以外で空き家を手放す方法

空き家は相続したくない、かつ相続放棄もしたくないなどのケースもあるでしょう。
たとえば、遺産に他の資産や複数の不動産が含まれる場合などは、一部の財産は受け継ぎたいと思うかもしれません。
ここでは、相続放棄以外に空き家を手放す3つの方法を解説します。

手放す方法①売却する

空き家が不要な場合は、相続した後に売却する方法を検討できます。
建物の状態が良い場合や需要が高いエリアの土地の場合には、高値で売却できる可能性もあります。
新築住宅の価格は上昇傾向にあるため、価格を抑えてマイホームを購入したい層にとって、中古住宅は一定の需要があるでしょう。
中古住宅の売却のポイントは、内覧時に古びた印象や荒れた印象を与えないことです。
売却活動前に清掃やメンテナンスを実施し、状態を整えてから内覧に臨むようにしましょう。

手放す方法②隣地の所有者に交渉する

一般の買い手が見つかりにくい条件の空き家の場合、隣地に所有者に交渉するのはひとつの手です。
庭や駐車場を拡張できたり、子どもの世帯の住宅を建てたりなどの用途が広がるため、隣地の所有者にとってメリットがあります。
また、隣地が不整形地の場合、土地の拡張によって整形地に変わるなどのメリットもあるでしょう。
不動産の条件によっては無償譲渡を交渉すれば、引き取ってもらえる可能性はより高まります。
ただし、無償譲渡の場合でも、相手方には贈与税や所有権移転登記などの費用が掛かる点は覚えておきましょう。

手放す方法③自治体に寄付する

個人や法人で土地の引き取り先を探しても見つからない場合は、自治体に相談することができます。
調査をおこなったうえで、使用価値のある空き家であれば、寄付として受け取ってもらえます。
また、自治体によって「空き家バンク」のシステムを提供しているところもあるため、積極的に活用すると良いでしょう。
空き家バンクは、空き家の所有者と空き家の活用や移住を考えている方をマッチングするサービスで、登録しておくと寄付先の選択肢が広がるかもしれません。
マッチングの成立時には、自治体から改修費用を補助してもらえる場合もあり、空き家のもらい手の負担を軽減する行政サービスとなっています。

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まとめ

相続放棄とは、遺産を受け継ぐ権利をすべて放棄することを指し、空き家だけを選択的に手放すことはできません。
2023年施行の改正法では、相続放棄の時点で占有状態にあった場合に管理責任が生じるとの変更がありました。
相続放棄以外で空き家を手放す方法としては、売却や隣地の所有者への交渉、自治体への寄付などが検討できます。

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