空き家を放置するデメリットは?空き家にかかる税金・売却のメリットも解説

空き家を放置するデメリットは?空き家にかかる税金・売却のメリットも解説

所有している空き家の管理はおっくうであり、清掃せずに放置している方は多いでしょう。
しかし、空き家を管理せずに放置すると、税金をはじめ、さまざまなデメリットが生じることをご存じでしょうか。
そこで今回は、空き家を放置するデメリットと空き家にもかかる税金、売却方法とメリットを解説します。

空き家を管理せずに放置するデメリット

空き家を管理せずに放置するデメリット

所有している空き家を放置すると、自分のみならず周囲に対してもさまざまなデメリットが生じます。

デメリット➀空き家の老朽化

空き家が長期間放置されると、老朽化が進行する恐れがあります。
住民が暮らしている家や適切に修繕されている家とは異なり、管理が行き届かない空き家は放置されるほど老朽化のスピードが増し、朽ち果てるまでの期間が短くなりやすいです。
とくに空き家は、玄関や窓が閉め切られた状態で放置されるため空気の循環がなく、時間が経過するほど湿気がこもり、カビの発生や増殖、シロアリ被害のリスクが高まります。
塗装が劣化し、防水性を失った屋根や外壁から雨水が浸透し、雨漏りや木材の腐食が進行して空き家の状態がさらに悪化することもあります。
劣化が骨組みにまで進行した場合、住宅として使用できなくなり、修繕には多額の費用がかかることになるでしょう。

デメリット②犯罪拠点になるリスク

空き家を放置するデメリットには、犯罪集団の拠点として悪用されるリスクもあります。
空き家は住民が不在で人目がなく、犯罪者にとって魅力的な物件となります。
たとえば、振り込め詐欺で得たお金の回収場所として指定されたり、犯罪集団が拠点として空き家を活用したりする可能性があるでしょう。
空き家を放置する場合、知らぬ間に犯罪拠点として使用される恐れがあることを認識することが重要です。

デメリット③近隣トラブルのリスク

空き家を放置し続けるデメリットは、所有者だけでなく、周辺住民にも影響を及ぼすことを考慮しなければなりません。
たとえば、庭の手入れを放置すると草木が伸び、雑草や樹木の枝が敷地外にはみ出すことが原因で、隣家とのトラブルに発展する恐れがあります。
また、空き家に棲みついた害虫や害獣が周辺に被害を与えたり、不法投棄が頻繁に発生して異臭問題が生じるリスクもあります。
さらに、空き家の劣化が進むことで外壁や屋根が剥がれ、近隣住宅や通行人に危害をくわえる可能性もあるでしょう。
管理を怠り空き家を放置すると、周辺住民から訴訟を起こされる可能性があるため、空き家の取り扱いには十分な注意が必要です。

空き家の放置は税金や減税特例にもデメリット

空き家の放置は税金や減税特例にもデメリット

空き家を放置すると税金がかかるほか、減税特例の適用対象外になることも理解しておきましょう。

放置空き家にかかる税金

放置状態にある空き家にも、一般的な住宅と同様に固定資産税と都市計画税が課税されます。
固定資産税および都市計画税は、土地や建物などの「固定資産」を所有している方に対して課される税金です。
税額は、固定資産が所在する地域を管轄する自治体が計算し、所有者に納税額を通知する仕組みです。
なお、固定資産税はすべての土地および建物が対象ですが、都市計画税は都市計画法に基づく市街化区域内に存在する土地と建物にのみ課税されます。
市街化区域外にある空き家の所有者には固定資産税のみが課され、都市計画税はかかりません。

放置空き家にかかる税金の計算方法

固定資産税と都市計画税の納付額は、以下の計算式で求められます。

●固定資産税:固定資産税評価額(課税標準額)×1.4%
●都市計画税:固定資産税評価額(課税標準額)×0.3%


固定資産税は標準税率として一律1.4%が適用されますが、都市計画税は制限税率により最高0.3%までとなります。
たとえば、放置された空き家の固定資産税評価額が1,500万円の場合、固定資産税は1,500万円×1.4%=21万円となります。
都市計画税は、1,500万円×0.3%=4万5,000円です。
ただし、「固定資産税等の住宅用地特例」制度の適用を受けると、軽減措置がおこなわれ、固定資産税と都市計画税の納税額が減額されます。
この減税特例は、住宅が建てられている土地が対象であり、空き家も条件を満たす場合、税金を軽減することができます。
具体的な軽減措置の内容は以下のとおりです。

●空き家がある敷地のうち200㎡以下の部分:固定資産税は1/6、都市計画税は1/3を税金の計算式にかける
●空き家がある敷地のうち200㎡を超える部分:固定資産税は1/3、都市計画税は2/3を税金の計算式にかける


仮に、空き家の固定資産税評価額が1,500万円で敷地面積が200㎡、かつ減税特例が適用されるケースを考えます。
固定資産税は1,500万円×1/6×1.4%=3万5,000円、都市計画税は1,500万円×1/3×0.3%=1万5,000円です。
減税特例が適用されない場合と比較すると、固定資産税は17万5,000円、都市計画税は3万円の差が生じるため、税負担を軽減できる特例対象に含まれる方が有利と言えます。

減税特例の対象外となる特定空家に注意

もし放置した空き家が「特定空家」に指定された場合、特例の対象から除外され、減税措置を受けられなくなります。
特定空家とは、2015年に施行された「空き家等対策の推進に関する特別措置法」で規定されたものです。
以下の4条件のいずれかに該当する空き家は、国または自治体から特定空家として認定されます。

●倒壊など保安上著しく危険性がある
●衛生上著しく有害である
●適切に管理されず著しく景観を損なう
●周辺の生活における環境保全をおこなう場合、放置状態が不適切である


仮に特定空家と判断されると、固定資産税や都市計画税の軽減措置が一切適用されなくなり、固定資産税は最大6倍、都市計画税は最大3倍になるおそれがあります。
税負担の重さを考慮すると、特定空家とみなされる状態になるまで放置するのは避けた方が良いでしょう。

空き家を放置する前に売却する方法

空き家を放置する前に売却する方法

放置せずに空き家を売却するなら、古家付き土地か更地として手放す方法がおすすめです。

売却方法➀古家付き土地

古家付き土地とは、法定耐用年数を過ぎた建物が残された土地を指します。
法定耐用年数を超えた建物は価値がないと判断されるため、売却時には土地の価格のみで取引が行われます。
古くなった空き家を解体せずに売却できるため、解体費用を負担する必要がない点がメリットです。
空き家を残したまま売却活動を続けられるため、減税特例の対象となり、固定資産税を安く抑えられます。
また、古い家を売る際、売却した空き家に瑕疵が発覚すると契約不適合責任を問われる可能性がありますが、古家付き土地の場合、免責となるため安心して売却できるでしょう。

売却方法②更地

更地とは、何も建てられていない状態で借地権もなく、購入後すぐに建築工事を開始できる土地です。
空き家の解体費用を負担する必要がある反面、土地全体の広さを把握しやすいことから、新築住宅を建てたい方に需要があります。
古家付き土地よりも売却活動がスムーズに進みやすく、早期売却が実現できる可能性があります。
解体を済ませることで、空き家の劣化による近隣トラブルの発生を防ぎ、管理を怠り特定空家に指定される心配もなくなるでしょう。
また、土壌や地盤の調査、地中の埋没物の確認も更地の方が容易なため、売買契約が成立しやすいでしょう。

まとめ

空き家を放置すると、スピードが早くなる点や犯罪拠点になるおそれなどのデメリットが起こり得ます。
もし特定空家と認定されれば、減税特例から除外され、毎年納める税金が高くなります。
空き家が放置状態になる前に、古家付き土地もしくは更地として売却したほうが良いでしょう。